この記事の目次
電力自由化のメリット
ライフスタイルに合った電力事業者が選べる
家庭や商店へ電力を供給する、いわゆる『低圧』を取り扱う新電力事業者は、2018年2月の時点で、453社にも増加した。
電力自由化前、地域の電力会社 10社だった頃に比べ、45 倍以上の数に増加している。
電気料金を大幅に抑えたり、基本料金を削減するだけでなく、多種多様なサービスやプラン、故郷の新電力を選ぶことが出来たりと、様々な選択が可能となっている。
電気料金の大幅な値下げが期待できる
新電力会社の増加によって、小売部門の市場競争が促されることにより、各社はそれぞれの強みを生かしたサービスや差別化を図ることになる。
従来よりも安い電力料金・使用量の多い時間帯でタダになるプラン・夜しか電気を使わない人へのプラン・基本料金そのものを実質0円にするなど、よりお得なプランが選べるようになっている。
新種のサービスが期待できる
石油・通信・旅行・ガス・水道など、電力と直接の関係が無かった『異業種が参入』することによって、
ガソリン・携帯電話・旅行・ガス・水道などとセット販売することで『今までになかったサービス』が登場する可能性がある。
価格低下だけではなく、品質の改善が期待されており、電力の活性化・再エネなどの多様化が期待される。
エネルギーの種類が選べる
再生可能エネルギーで発電した新電力を選択するなど、環境に配慮した電力を選ぶことができる。
スマートメーターと IoT で変わる生活
従来の電気メーターは、スマートメーターに交換されることに次いで、新しい通信規格である『5G』のインフラが整うと、
電気の利用状況を把握し節電を促したり、自宅内の様々な家電がオンラインでつながる次世代の生活スタイルが実現可能になる。
電力自由化のデメリット
電気料金が値上がりする可能性がある
『自由料金』になることで、燃料費の高騰など、世界的な情勢や様々な要因によって、価格は直接影響を受け、電気料金が値上がりする可能性がある。
実際、燃料費調整制度によって、3ヶ月ごとに価格は調整されており、電力自由化の進んだ欧米諸国では、電気料金は上昇傾向にある。
『電気料金が下がる』というメリットの反面、値上がりというリスクもあり得るのだ。

オール電化家庭は注意が必要
電力自由化によって、その恩恵を受ける家庭は非常に多いが、唯一『オール電化の家庭』は、今までよりも電気料金が高くなる可能性が高い。
新電力には『オール電化向けのプランが用意されていない』場合がほとんどで、既にオール電化の家庭(世帯)は、綿密な生活パターンと電力の消費シュミレーションをする必要がある。
電力供給の不安定化リスクは残る
発電部門には、規模・設備・技術力が異なる事業者が参入しているため、非常時への対応には、不確定要素が依然残る。
また、2020年を目処に行われる、電力自由化の最終段階『発送電分離』によって、さらなる状況変化の可能性が残っている。
選択肢が多く選択に困る
選択肢が多いのは、消費者にとってメリットばかりでなく、デメリットにもなりえる。
結婚や子供の誕生など、将来的に大きく変わる可能性のあるライフスタイルを考慮して、慎重に検討する必要があり、
多種多様で様々な料金プランの中から『本当に自分にあったモノ』を見つける作業は、非常に骨の折れる作業になるかもしれない。
解約時に違約金が発生する場合がある
これまで、地域の電力会社との契約は『引っ越しから引っ越しまで』という場合がほとんどであった。
携帯電話の新規加入時に課される『期間縛り』というような『一定の契約期間』を定めている企業やプランもあるため、途中解約は違約金を発生させる場合がある。
特に、転勤が多い世帯や引っ越しの予定がある世帯などは、契約時にしっかりと、違約金についての内容確認が大切だ。
マンション・アパートなどの賃貸の場合、新電力への切り替えができない場合がある
マンション・アパートの管理会社が、すでに地域の電力会社と大口契約をしている場合は、個人での切り替えを制限されることがあるため、
新電力への乗り換えを検討する場合は、不動産会社や管理会社への事前確認が必要である。
Eye catching image by Alexander Popov (Moscow)